心臓病 のち うつ病 ときどき 腸閉塞

どん底からの復活をめざして…

お母さんへ

小さい頃、ふとお母さんが病気や事故で死んだら…と考えたときにものすごい孤独感に襲われたのを鮮明に覚えてる。大人になっても時々それを感じたし、お母さんの体調が悪くなってからは頻繁に感じた。
そして、とうとうそれが現実になってしまった。

シャントが詰まって病院へ行き、一時的に首からの透析ルートを確保しようとした時に出血し、その出血性ショックで血圧が下がったみたいやね。先生は血腫で喉が圧迫されて挿管もできなかったので気管切開したって言ってた。もう意識はなかったみたいやけど、ぼくが駆けつけたのわかってくれてたよな?苦しいのにそこまでよく頑張ってくれたな。おかげでみんなで看取ることができたよ。

お父さんから聞いたけど、その直前病院行くの拒否してたって?こうなることをわかってたから?

脊椎圧迫骨折の痛みで食欲もなくなり、弱って行ってたけど、痛みがなくなったらまた食べられるようになり、良くなるとみんな思ってたんやけどなあ…

それでも悲しんでばかりはいられず、お父さんも高齢やからぼくが喪主になったんやで。もちろんお父さんにもたくさん協力してもらったけど、親しい人たちでいいお葬式ができたやろ?
みんなにちゃんと見送ってもらいたかったから涙をこらえてめっちゃ頑張ったよ!ほんまにいいお見送りができたと思う。ぼくが選んだ遺影の写真もめっちゃ良かったやろ?ぼくもスキャンして小さな写真立てに入れて飾ろうと思う。

法名は「豪嘉」やって。お母さんの若い頃の豪快なイメージまんまでわろたけど、ものすごい光で照らすという意味があるんやって。お母さんらしいええ法名やね。

式が終わって家に帰ってから一人になったお父さんに電話したら、めっちゃ泣いてたわ。その時ちょうどぼくも一人やったから、今まで我慢してた悲しみが爆発して、声出して一緒に大泣きしてしまったわ。

まだまだやることはたくさんあるけど、ぼくは大丈夫やからお父さんだけはしっかり見守っててあげて。ぼくらもお母さんが生きてた頃と同じように実家に行くから。

そういや、お母さんが亡くなってからめっちゃ喉が渇くんやけど。お母さんは透析で水分が厳しく制限されてたから、もしかしてぼくの体を借りて水を飲んでる?

また寂しくなったら話しかけるわ。
返事は帰ってこなくても、50年以上のつきあいやから、何を言いたいかは十分わかるつもり。

心配かけないようにするから、しばらくはゆっくりして。

じゃあ、いつかまたね。