心臓病 のち うつ病 ときどき 腸閉塞

どん底からの復活をめざして…

犬と私の10の約束/川口晴

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先日書いたとおり、実家の愛犬が亡くなった。
愛犬の調子が悪くなりかけたとき、この本を買っていた。
内容はある程度想像できたので、しばらく読むのをためらっていた。
愛犬は亡くなり、また読むことができなくなっていた。
今回意を決して、先週末の和歌山遠征の際、カバンにこの本を詰めていった。
観戦の帰り、鈍行の列車に揺られながらページをめくっていく。
まだ読んでいない人もいるだろうし、映画化もされているので
詳しい内容は書かないが、あえて言うならあまり文学的ではなかった。
というよりも、ふってあるルビを見ると、対象年齢がやや低いのであろう。

しかし、文中に出てくるメインテーマ「犬と私の10の約束」には心を打たれ
何度も何度も読み返した。
主人公の女の子が犬を飼うとき、母親と交わした10の約束。
これは映画の宣伝でも書かれていたのでいくつか記してみる。
私が年を取っても仲良くしてください。

私は十年くらいしか生きられません。だからできるだけ私と一緒にいてください。

私が死ぬとき、お願いです、そばにいてください。
どうか覚えていてください。私がずっとあなたを愛していたことを。

私の愛犬は徐々に悪くなっていったので、一緒に過ごす時間をできる限り作ってあげられたし、
できるだけのことをしてあげられたと思う。
我が家にやってきた日から、ずっと仲良くできたと思う。
犬を心から愛していたし、私も愛されていたと思う。

ただ、死ぬときに一緒にいてやれなかった。
仕方ないのだが、それだけが残念で残念でならない。

物語のクライマックスで、私は自分の愛犬が亡くなるときに
寂しい思いをさせたのではないかと思うとどうしようもなく涙があふれた。
他の乗客に気づかれないよう、帽子を目深にかぶり、車窓の外を向くと
夕日が海に沈もうとしていた。

いつか私が天国で愛犬と再会できたら、あの日のように抱きしめて、
そのことを真っ先に謝りたい。
「ごめんね」と…