心臓病 のち うつ病 ときどき 腸閉塞

どん底からの復活をめざして…

年末といえば「第九」

イメージ 1

年末といえば、ベートーベンの交響曲第9番、通称「第九」
なぜ年末に「第九」なのか?
戦後のオーケストラが年末年始の生活費を稼ぐために演奏したことが始まりだと聞いたことがあるが、本当のところは定かではない。

そして私にとっての「第九」といえば、「一万人の第九」であり、「佐渡裕」だ。
http://www.mbs.jp/daiku/
2003年、はじめて「一万人の第九」に参加したことを思い出す。

 音楽が好きだった私は面白そうだと思ってある意味ノリで参加したが、これが意外とハードだった。
 私は初心者クラスだったのだが、9月~11月まで全12回、ほぼ毎週2時間の練習をこなしていく。欠席は3回までしか許されない。
 初心者クラスといえども、プロの指導のもと、ドイツ語の原詩で合唱の厳しい練習は続いていく。私も1万分の1とはいえ、客観的な評価もさることながら、自分自身で納得する合唱がしたかったので楽譜がボロボロになるまで頑張った。
 そして初めての佐渡裕氏による直接のレッスンがやってきた。佐渡裕氏(先生と呼ぶべきか)といえば世界の小澤征爾、レナードバーンスタインに師事し、世界の名だたるオーケストラで客演してきた指揮者だ。私は非常に緊張していたが、レッスンが始まると私の抱いていたイメージとは違い、非常にフランクで熱い指導だった。
 佐渡氏には本番前日のリハーサルでも指導を受けた。私はテノールのパートでなんとアリーナ席。私の前にはプロの合唱団が陣取り、その前に佐渡氏がタクトを振っている。距離にして10mもない。リハーサルが始まると、演奏や合唱を途中で止めながら細かい指示が入る。もちろんテノールのパートに対する指導も鬼気迫るものがあり、まるで私個人が指導を受けているかの錯覚に陥るほどであった。世界の佐渡のオーラを感じた一瞬だった。
 本番では、最初にしては頑張れたかなと思う。歌ってみて思うのだが、第九は奥が深く、一度や二度の合唱で、しかも素人がこの曲を制することはできないのである。そういう意味では、これからも機会があれば是非第九を合唱してみたい。

 「第九」は私にとって、聴くものではなく、歌うものだから。