イヤなことを思い出さないために その2~トラのはなし~
遅くなったが、前回の続き。
動物園シリーズという訳ではないが、
白くまの次はトラの話。
かわいい赤ちゃんトラを飼っている人がいました。
少し大きくなったトラが吠えると、その人は
「噛みつかれるかも知れない」と不安になり
冷蔵庫の肉を与えました。
トラは少しおとなしくなり、その人は不安から解放されました。
しかし、トラはお腹が減るとすぐに吠えだします。
その人はまた、冷蔵庫の肉を与えます。
しかも、トラは肉を与えれば与えるほど
どんどん大きく凶暴で怖い存在になっていき、
以前よりたくさん肉を食べるようにもなりました。
やがてその人は、トラにどれだけ肉をあげても
何時も不安から解放されなくなりました。
その人は、トラにお肉を与えることに支配されてしまったのです。
私にとってのトラは病気であり、職場のトラブルだ。
そのことに支配されてしまった自分がいる。
具体的に書くと、
トラがいないときはできていたことが、時間やエネルギーを奪われできなくなった。
トラのせいで緊張状態が続き、常に不安だ。
これらは前回書いた「認知的回避行動」にあたるだろう。
みなさんなら、このたとえ話をどう解決するだろうか。
「トラを処分する」「トラから逃げる」と言う意見もあると思うが
それは現実問題に置き換えてみて、根本からの解決策になるだろうか?
私はこのたとえ話にはうつ病の本質がとてもよく表されている、と思う。
次回に続く。