心臓病 のち うつ病 ときどき 腸閉塞

どん底からの復活をめざして…

大切なものを失うとき

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みなさんにとっての大切なものは何だろう。
私の大切なものは「家族」「仕事」「健康」「巨人」「バイク」など
いろいろあるが、どれも大切で、単純に比較できない。
今、私はその大切なものの一つを失おうとしている。

先月末から、実家の愛犬が調子を崩している。
何がきっかけなのか、ほとんど何も食べなくなってしまった。
その次は意識消失やひきつけなどの症状があり、全身で息をしている。
獣医に診てもらったところ、胸に水が溜まっており、
命に別状はないようだが、高齢であることと心不全が心配だ、とのことだった。
薬を飲ませると、少し落ち着いたようだが、依然同様の症状が続いている。
一月に実家に帰ったときにはいつもどおり元気だったのだが、
症状を聞いて、あわてて駆けつけると、目の前で横たわっていた。
私の顔を見て喜んで興奮したのか、目の前でひきつけを起こしてしまった。
すぐに意識は戻ったが、虚ろな目で震えながら、
何かを訴えかけるように私の目をじっと見ている。
もともと小さい犬なのだが、痩せてさらに小さく細くなった体を抱くと、
どうしようもなく涙がボロボロとこぼれた。
愛犬は健気にも私の涙をなめて慰めてくれるのだが、
その姿を見て、また涙があふれてしまう。

私の愛犬は約12年生きていて、人間で言うと80歳くらい。
生まれたときが日の出とすると、いよいよ夕焼けのときを迎えているのだろう。
また昨年には腹部の腫瘍を摘出する手術を受けている。
もうこれ以上苦しい思い、痛い思いはさせたくないし、して欲しくない。
日が沈むのを誰にも止めることはできないが、
せめて美しい夕焼けを見たいというのは繰言だろうか。

しかし、今回のことがきっかけである程度覚悟は出来た。
生きるに時があり、死ぬに時がある、と聞いたことがある。
私は敬虔な者ではないが、もし神様がいるとしたら
きっと別れのときを与えてくれているのだと思う。
愛犬との残り少ない日々を大切に、悔いなく過ごしたい。